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お店で売っていない作物

レストランやパティスリーで食材の話になるとよく、「お客様が知らない食材は売れないんだよね〜」と聞く。

話の入口は「何か面白い素材ありますか?」。
で、つい「〇〇がよかったですよ」なんて言った時のリアクションがしょっぱなのお言葉。
な〜んだ、と思うような返しだけど、確かに一理ある。
例えばケーキを買いに行って、味も形も知らないフルーツのお菓子といちごショートが並んでたら、勝負は見えている。

今思えば、ルバーブやシーベリー、フルーツほおずきも、遠くでは認められご近所では不思議な目で見られ、「売り先ない?」とよく聞かれる存在だった。これ全て、「スーパーで見かけない野菜」。イチゴやモモならなじみがあるから説明はいらない。でも買って食べたことのない食材は、どんな味?どんな形?から説明しなければ伝わらない。選んでもらうには、まず覚えてもらうことだ。だから枝付きや鉢植えをお店に飾ったりして工夫している。今ある作物が広まるまでにも、ひと知れぬみんなの工夫が陰にあった気がする。

世界の主要作物、トマトだって似たような冷遇を受けてきたらしい。
南米から欧州へ伝わり、北米へ。アメリカでは19世紀初めにまだ、毒があるかも…などと言われたそうだ。まるで伝統野菜みたいに料理に使われているけれど、かなり新しい食材なんですね。

今、私が注目しているのはツルコケモモ、モリイチゴ、それから最近覚えたノリウツギ。モリイチゴについては来月マイナビ農業 に掲載されるので、ここには後追いを書くかも。ノリウツギは山で見かけるアジサイ科の木で、越前和紙の紙漉きのつなぎに必須らしい。トロロアオイでは?と思って調べたら、さらに古くから使われたのがノリウツギなのだそう。
ということは……修復などに必要なのでは⁈ 山で採取できるとはいえ、こんな植物を植えたらどんなに役に立って楽しいだろう。夢が膨らむわ〜。

今はまだ妄想だけど、新しいものを取り入れて、本当によいものを見つけていかないとね。

 

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